日本の資格・検定|学びのメディア

読みもの

年収1,000万円、独立後は数千万円も。努力を凌駕するメリットがある「公認会計士」という資格

インタビュー

年収1,000万円、独立後は数千万円も。努力を凌駕するメリットがある「公認会計士」という資格

弁護士や医師と並ぶ難関資格として知られる「公認会計士」。取得すれば、高い専門性や社会的信用、安定した収入に繋がる——。そんな“強い資格”というイメージを持つ人も多いでしょう。一方で、合格までには数千時間ともいわれる学習が必要です。

チャンネル登録者数11万人の人気YouTuberであり、公認会計士の小山 晃弘先生は、「『公認会計士』は生半可に取得できる資格ではないけれど、努力する価値のある、リターンがとても大きい資格」だと語ります。では、数千時間にも及ぶ努力の先にある“大きなリターン”とは、具体的にどのようなものなのでしょうか。

お話を伺ったのは……

小山 晃弘(こやま あきひろ)先生
税理士法人小山・ミカタパートナーズ代表。YouTuber公認会計士。同志社大学卒業後、4大監査法人の1つであるトーマツで勤めたのち、独立。「型破りな会計士」としてYouTubeでは11万人超の熱狂的なファンに支えられ、再生回数は異例の2,000万回を超える。自社を経営しながらも、大学や資格の学校で人気講師として活躍中。
YouTube:公認会計士/小山あきひろ

収入、信用、キャリア。公認会計士の「リターン」は1つじゃない

「公認会計士」は、企業の財務情報が正しいかを第三者の立場からチェックする「監査」を独占業務とする国家資格です。試験合格後、実務経験などを経て登録することで、公認会計士として働くことができます。公認会計士になることで得られる、分かりやすいリターンの1つが収入です。

小山先生によると、大手監査法人に入った場合、1年目の年収は500~600万円台ほど。経験を積むと700~900万円台、マネージャー以上になれば1,000万円前後が1つの目安になるのだとか。さらに独立すれば、収入の幅は大きく広がります。

「独立後の収入は、数千万円を狙える方もいれば下がる方もいて、まさに実力次第です。資格という土台の上に、営業力や商品設計、経営力といった自分の強みをどう掛け合わせるかで、結果が大きく変わってきます」(小山先生。以下同)。

自分の努力次第で収入の幅を大きく広げられるのも魅力ですが、高収入だけが公認会計士になるメリットではありません。

「監査法人で働く以外にも、上場企業の経理や財務、CFO、コンサルティング、M&A、IPO支援、税務、独立と、いろいろな道があります。『公認会計士』資格をもっていることで、その後のキャリアをかなり広く考えられるんです」。

さらに、小山先生が独立後にあらためて実感したのが、資格そのものがもつ「信用力」でした。

「初対面でも『公認会計士です』と言えば、一定の専門性がある前提で話をしてもらえます。もちろん最終的にはその方自身の実力が大切ですが、最初の信用をつくってくれるという意味では、すごく強い資格だと思います」。

収入、専門性、社会的信用、そしてキャリアの広がり。1つの資格から得られるものの多さが、小山先生のいう“大きなリターン”なのでしょう。こうした「公認会計士」の強さは、小山先生自身がこの資格を選んだ理由にも繋がっています。

「自分の腕一本で生きていきたい」小山先生が会計士を目指したワケ

もともと小山先生の根底にあったのは、「自分の腕一本で食べていきたい」という強い思いでした。幼い頃はプロサッカー選手、その後は美容師に憧れるなど、目指す職業は変わっても、その軸だけは一貫していたと言います。

しかし大学に進学した当時は、起業するためのノウハウも、人脈も資金もない。そんななか、授業で簿記に出会い、その延長線上に「公認会計士」という資格があることを知ります。

「『公認会計士』試験には、受験要件や学歴要件がありません。当時の自分にはなにもなかったけれど、自分の『努力の最大値』を出せば手が届くかもしれないと思ったんです。まず会計で一本立ちして、そこからビジネスへ広げていこうと考えました」。

生まれもった環境や人脈ではなく、これから積み重ねる努力によって、専門性や信用を手に入れられる。小山先生は「公認会計士」という資格は、相応の努力は必要だが、自分の人生を切り拓く最強の武器になる資格だと語ってくれました。

「公認会計士」になれば一生安泰ではない

ここまで聞くと、「公認会計士」資格さえ取得すれば、将来の心配はいらない、と安心したくなるかもしれません。しかし、小山先生は「それは少し危ない考えだ」と言います。

「『公認会計士』資格は確かに強い。ですが、AIが台頭してきた現在、資格だけで一生安泰という時代ではないと思っています。資格を土台にして、どう価値を提供していくかが大切です」。

小山先生がそう語るように、単純な集計やチェック、資料作成などは、今後さらにAIによって効率化されていくでしょう。では、テクノロジーが進化する中で、人間にしかできない仕事とはどのようなものなのでしょうか。

「AIが数字を出してくれるようになれば、人間に求められるのは、その数字がなにを意味するのかを考え、課題を認識し、経営者と一緒に『次になにをするのか』を考えることなのでは」。

例えば、数字を分析して「この部門のコストを削るべき」「こういう人事制度にすべき」という最適解を出すところまでは、すでにAIが得意とする領域です。

しかし実際の経営では、AIが出した正解をそのまま当てはめても人は動きません。現場のモチベーションや社内の人間関係、その企業ならではの風土を汲み取りながら、ときには痛みを伴う改革をどう実行に移していくか。

社員たちの感情を理解し、経営者と対話を重ねながら、机上の空論ではない、その会社ならではの落としどころを一緒に探っていくプロセスは、決してAIには代替できない領域です。

「これからは、経営者に伴走できる会計士の価値がより高くなると思います。AIに会計士が代替されるというより、AIを使う会計士に、AIを使えない会計士が代替される。そんな時代になるのではないでしょうか」。

「公認会計士」という資格そのものがもつ力は大きい。けれど、その土台をどう使い、自分ならではの価値を加えていくかによって、資格取得後に得られるリターンも変わっていくのでしょう。

「公認会計士」資格合格を目指す人へ。難関資格だからこそ「全部やる」を捨てる

ここまで読んで、「公認会計士」の資格を勉強してみようかな……と心が動いた方もいるかもしれません。とはいえ、膨大な試験範囲を誇る最難関資格です。この高い壁を突破するために、小山先生はどのような勉強法を実践していたのでしょうか。

受験時代を振り返ってもらうと、入門期に1日平均6時間ほど、学習が進むと10時間以上、直前期にはなんと1日13時間ほど机に向かっていたそうです。それでも、論文式試験では一度不合格を経験したのだとか。

だからこそ、とくに仕事や家庭と両立しながら挑戦する社会人には、ただ勉強時間を増やすだけではなく、「なにに時間を使うか」という戦略が必要だと小山先生は言います。

「大切なのは、合格から逆算することです。全部を完璧にしようとすると時間が足りない。配点の高い重要論点や、皆さんが取る基礎問題は確実に取る。その一方で、出題可能性の低いところには深入りしすぎない。『なにをやるか』だけではなく、『なにを捨てるか』を決めることが必要です」。

小山先生自身が「最初から意識してやれば良かった」と感じているのが、アウトプット中心の勉強法なのだとか。

「試験では、知識をもっているだけでは意味がありません。本番で答案として出せるかどうか。だから、インプットばかりするのではなく、早い段階から問題を解いて、アウトプットすることが大切だと思っています」。

すべてを理解してから問題演習に進むのではなく、まず全体像をつかみ、合格に必要な部分を見極める。そして、問題を解きながら使える知識に変えていく。

限られた時間の中で最大の成果を出す。その合格に向けた思考法は、資格取得後にビジネスの現場へ出た際にも、通じるものがありそうです。


「公認会計士」は、決して簡単に手に入る資格ではありません。だからこそ、目を向けたいのは「どれだけ大変か」だけではなく、その先になにがあるのか。

専門性や信用、収入、キャリアの広がりまで。数千時間に及ぶ努力の先に得られるものの多さこそ、「公認会計士」という資格の強さなのかもしれません。

【YouTuber公認会計士・小山先生に聞く簿記&会計の世界】

・「簿記3級」は現代を生き抜くための常識。すべての人に簿記が必要な理由
・努力を凌駕するメリットがある「公認会計士」という資格・・・今回はコチラ

書籍紹介

資格試験ムビスタ 小山のたった7時間で簿記3級
小山 晃弘(解説)長尾 由芳(文) Gakken 1,540円

購入はコチラから

カリスマ講師・小山晃弘先生が教える、「日商簿記3級」のスピード攻略に最適な対策本。理解しやすいテキストに加え、全章に「超」面白くて分かりやすい授業動画が付いているため、効率良く学べるのがうれしいポイント。さらに仕訳問題100問が解けるミニブックも付属しており、スキマ時間で着実にマスターできる。「簿記3級」を初めて受験する方はもちろん、短期間で手軽に合格レベルの知識を身につけたい人にもおすすめの1冊となっている。

文=SUGARBOY

人気記事ランキング

関連記事