日本の資格・検定|学びのメディア

読みもの

木戸大聖「何をしていても覚えたことを引き出せる状態に」。自在に使いこなすための暗記術

インタビュー #気になるあの人を深堀り

木戸大聖「何をしていても覚えたことを引き出せる状態に」。自在に使いこなすための暗記術
木戸 大聖

覚えたはずのことが、いざというときに出てこない。勉強や仕事で、そんな経験はないだろうか。

俳優の木戸 大聖さんは、「何をしていても言える状態」を目指し、体を動かしながらセリフを覚えているのだとか。

映画『沖晴くんの涙を殺して』では、人間の五大感情のうち「喜び」以外の感情を失った高校生の主人公・沖晴を演じた木戸さん。セリフをどう自分のものにしているのか。そして、自分とは大きく異なる役をどう理解していったのか。木戸さんならではの工夫を聞いた。

お話を伺ったのは……

木戸 大聖さん
福岡県出身。2017年、俳優デビュー。Netflixシリーズ『First Love 初恋』で佐藤健演じる主人公・晴道の青年期を好演して脚光を浴びる。その後、映画、ドラマ、舞台など多方面で活躍。主な出演作、ドラマ『ゆりあ先生の赤い糸』(2023/テレビ朝日)『海のはじまり』(2024/フジテレビ)、『一次元の挿し木』(2026/読売テレビ)映画『ゆきてかへらぬ』(2025)『モブ子の恋』(2026)など。最新作は連続ドラマ『救命病棟24時 第6シリーズ』(2026年10月放映開始/フジテレビ)
Instagram:@taisei_kido_

「何をしていても言える状態」まで。歩きながら仕上げるセリフ暗記

俳優の仕事に欠かせない、セリフの暗記。木戸さんは、家の周りを歩きながらセリフを繰り返しながら覚えることが多いという。

「セリフをつぶやきながら、家の周りをぐるぐる歩くんです。慣れてきたら、歩くペースを上げたりもしますね。本番では、何かをしながらセリフを言うことになるので、別のことをしていても自然に言える状態まで持っていきたいんです」(木戸さん。以下同)。

木戸 大聖

本番では、動いたり、相手の演技を受けたりしながらセリフを口にする。その状況を見据えて、木戸さんは「覚えた」で終わらせず、別のことに意識が向いていても言葉が出てくるところまで準備を重ねているのだ。

木戸大聖

勉強でも、「覚えたつもり」と「必要なときに思い出せる」は同じではない。テキストを閉じて説明してみる、問題を解いてみるなど、覚えた知識を自分の力で取り出せるか確かめてみる。

木戸さんの暗記法から見えてくるのは、覚えることそのものよりも、「使えるところまで持っていく」ことの大切さだ。

経験したことのない状況を、具体的に思い描く

セリフを覚えることに加えて、役の人間性や置かれている状況を理解することも、俳優にとって大切な準備だ。今回、木戸さんが演じた沖晴は、「楽」以外の感情をなくした青年。自分とは大きく異なる状態を演じるために、木戸さんはまず、感情をなくす前はどんな人物だったのかを考えたという。

木戸 大聖

「できるだけ具体的に想像することが大事だと思っています。『五大感情』の『喜び』以外の感情がない状態も、最初は想像できませんでした。でも、感情がなくなる前はどんな人だったのかな。そもそも、感情はなくなるものなのだろうか、などと考えていくうちに、感情が消えたのではなく、蓋をされている状態なのでは、と自分なりに解釈して、沖晴を演じました」。

木戸 大聖

何かを身につける際、まだ自分が経験したことのない場面について学ぶことも多い。そんなときは、「実際にはどんな場面で使われるのか」「誰の、どんな役に立つのか」「何のために必要なのか」まで想像してみる。具体的な場面と結びつくことで、言葉だけではつかみにくかった意味が見えてくることもあるだろう。

木戸さんが役の背景や感情の動きを1つずつ考えたように、すぐには想像できないことも、具体的に思い描けるところまで掘り下げてみる。そんなアプローチも理解を深めるための1つの工夫となりそうだ。

英検準2級から、その先へ。「これから学びたいのは英語」

木戸大聖

俳優として、日々役づくりに取り組む木戸さん。これから学んでみたい分野を尋ねると、「英語です」と答えてくれた。学生時代には英検準2級を取得しており、今はその先の2級に挑んでみたいのだとか。

木戸 大聖

何かを学ぶとき、必ずしもゼロから新しい分野を探す必要はない。以前取り組んだことの続きを学ぶ、取得した資格の次の級を目指す。過去の学びが、新しい目標の出発点になることもある。

学生時代に取得した英検準2級から、今度は2級へ。木戸さんのように、以前学んだことを振り返ってみると、「もう少し先までやってみたい」と思えるものが見つかるかもしれない。


覚えたセリフは、何をしていても言える状態まで。想像しにくい役は、その背景まで掘り下げて考える。そして、これから学びたい英語は、学生時代に取得した英検準2級のその先へ。木戸さんの話から見えてきたのは、「覚えた」「分かった」で終わらせず、もう一歩先まで進んでみる姿勢だ。

学びでも、覚えたことを実際に使えるか確かめたり、分からないことを具体的に思い描いたり、これまで学んだことの続きを考えてみたり。その一歩が、理解を深めたり、次の目標を見つけたりするきっかけになるのかもしれない。

映画『沖晴くんの涙を殺して』

広瀬アリス 木戸大聖

末期の乳がんで余命1年と宣告されて故郷に戻ってきた音楽教師の踊場 京香(広瀬 アリス)が、常に笑顔を絶やさない高校生・沖晴(木戸 大聖)との交流をきっかけに自分自身と向き合っていく物語。人とのふれあいが心を動かし、生きることに前向きになっていく。命をテーマにしながらも悲壮感は感じさせず、登場人物たちの人生が心に沁みわたるように広がっていく感動作。

2026年10月2日(金)より全国ロードショー
監督:矢崎 仁司
原作:額賀澪『沖晴くんの涙を殺して』(双葉文庫)
出演:広瀬 アリス、木戸 大聖、満島 真之介、北乃 きい、戸田 菜穂、根岸 季衣
配給:彩プロ
©2026 額賀澪/双葉社「沖晴くんの涙を殺して」製作委員会

この記事の連載
◆木戸 大聖・暗記を"使える記憶"に変えるコツ……今回はコチラ
◆準備はしっかり。木戸大聖のプレッシャーとの付き合い方

連載記事一覧へ>>

撮影=河野 優太
取材=斎藤 香
文・編集=学びのメディア『日本の資格・検定』編集部

人気記事ランキング

関連記事